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「うわぁ…マリの奴、すごい暴れたねぇ…」
「…アイツ総長が大好きだから。余程許せなかったんでしょうね」
薄暗い倉庫の中に、20人ほどの男達が無様に横たわっている。
全員が重症を負って意識が無いことは、一目見ても明らかだった。
「どうしますか涼也さん。コイツらもう駄目みたいですけど」
黒マスクを付けた中性的な顔立ちの青年は、黒髪をサラサラと靡かせながら問いかけた。
「うーん、マリが十分やり返してくれたみたいだしねぇ…今回は出番無しかなぁ…って思ってたけど…」
入り口から差し込む光に茶髪の青年のピアスが反射して、煌びやかに輝く。
「……でも、これだけじゃないよねぇ…?」
倉庫の奥を見つめる視線は、酷く昏い。
「…anarchyに手を出したお馬鹿さん達に、思い知らせてあげなくちゃ。これから"お姫サマ"も入ることだし、危険分子は排除しないと、ね?」
倉庫の奥の暗がり、物陰から現れたフードを被った男達に、二人の青年は微かに微笑んだ。
「――…マリの奴、どうせ殺るなら全員片付けろっつーの」

