拍子抜けしたように眉を上げた獅貴に、うんうんと何度も頷く。
「本当か…?」とでも言うような疑わしい視線に、やましいことは何も無いはずなのに冷や汗が伝った。
「…男とイチャついてる暇あったら働いてるよ。ていうか獅貴に関係無いでしょ、私が誰と付き合おうがさ…」
「……。…関係無くない。紫苑が俺以外の男と付き合うなんて嫌だ。面白くない」
ムスッとした顔で言い返してくる獅貴に呆れる。
下手したら陽葵より子どもだこの人。面白くないってなんだよ、自分の玩具を取られて拗ねてる子どもみたいだ。
「…はぁ」
私が溜め息を吐くと、獅貴はピクッと体を揺らして私を抱く力を強める。
そして遠慮がちに頭を私の肩に埋めて、まるで許しを乞うように頬擦りしてきた。
「〜〜…っごめん獅貴…ちょっと言い過ぎた。私のこと心配してくれたんだよね?でも本当に大丈夫なの、だから怒らないで。ね?」
「……。…、」
こくん、と小さく頷いた獅貴。
不覚にも可愛いと思ってしまった自分を殴りたい。誤魔化すように彼から視線を逸らして曖昧に笑った。

