「ねぇ獅貴、私のこと好き、ですか…?」
『私のことスキ♡?』って感じで問い掛けようと思ったのに、直前で恥が勝ってしまった。ていうか良く考えたら私そんなキャラじゃないし。
「…?…愛してる」
「ん"ん"っ…!!」
好き?って聞いてんだから好きか嫌いかで答えろよ。何でこういう時に不意打ちするかな…。私が今から主導権握ってやろうと思ってたのに台無しだよ、めちゃくちゃ動揺しちゃったよ。
きょとん顔で「愛してる」をサラッと言った獅貴に変な声が漏れる。すぐに「そ、そっか」と持ち直して笑った。自然な笑顔がどうかは置いといて。
「―――…私も、好きだよ」
「………………………ん?」
遅いなぁ…反応が遅いなぁ…という言葉を飲み込む。数秒…下手したら十数秒後に、獅貴がとんでもない時差で反応した。
しかも凄い怪訝そうな顔だ。今なんて言った?みたいな顔してる。
「ス、スキ…すき…好き…???」
確かめる時間が長い。三度目の「好き…?」で表情が晴れやかに輝いた。その後もう数秒固まって、全てを理解したのか獅貴が動き出す。ガバッ…!!と凄い勢いで抱きついてきた。
「ほ、本当か…!?」
俺が好きなのか…!?と質問攻めの獅貴。私の突然の告白が余程衝撃的だったらしい。彼には珍しく頬が紅潮している。

