全員の声が揃う。吐いた言葉も揃う。全員とは言わないか。日下くんは呆然としたように地面に膝をついているし、獅貴は疲れ気味の表情だ。陽葵なんか興味無さそうに下を向いている。


パタパタッと未星くんに駆け寄る帆乃くんは酷く愛らしい。やったことは全然愛らしくないけど。




「兄さんっ、兄さん!!」


「帆乃…??」




ギュッと未星くんに抱きつく帆乃くん。なんか未星くんから聞いてた弟くんと違うんだけど。疎まれても蔑まれても無くない?




「え…っと、取り敢えず、帰る…?」




抱き合う兄弟を視線の先に。ポカンとしてた皆の中で、こういう時頼れる涼くんが我に返った。その彼の言葉で、二つの族の抗争は幕を閉じた…閉じたんだよね?閉じたって言うのこれ??





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