「仲良く騒いでるとこ悪いけど、ここを何処だと思ってるの?繁華街だよ?deliriumの街。そんな少人数で来るとか舐めてんの?」
額に青筋が浮かんで見えた。ANARCHY全員で来ることを想定していたのだろうか。少ない数で攻めてこられたのが屈辱だったのだろう、確かに私から見てもこの人数は舐めてる。
でも獅貴たちが来た方向を見る限り、優勢なのは獅貴たちで間違いない。deliriumの人達だろうか、男達がみんな倒れているから。
「雑魚相手なんだから、俺らだけで十分だろ?」
煽りレベル100の律が嘲笑う。ていうかこの人たち皆煽り耐性高いよね、まともなの未星くんくらいじゃない…?
律が繰り出した特級の煽りに、日下くんの額の青筋はますます濃く伸びていく。穏やかに見えたけど、実は短気な性格なのかもしれない。
「お前らっ…、っ…まぁいい…」
必死に堪えているのだろうが、怒りで肩が震えているのがバレバレだ。なんだか少し可哀想になってきた。完全に律たちのペースじゃないか。
「こっちにはまだまだ人数が居るんだ、お前らが這い蹲るのも時間の問題―――」
「―――…それはどうかな」
少し高い声。倉庫の広い空間に響き渡る、済んだ綺麗な声だ。はっとして声の方へ視線を向けた。

