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「おいシキ…あんま暴れ過ぎるなよ…」
さっきから苛立ちを隠そうともせず暴れまくるシキに声を掛ける。初めは冷静に向かってくる奴らを蹴飛ばしていたが、時間が経ってくると次第に焦りが勝るのか、視線が忙しなく動いている。
きっと、というか絶対紫苑ちゃんを探しているのだろうが、これだけ探しても見つからないならまだ先に居るんじゃないだろうか。
「………」
「おーいマリ…お前もだよー…」
さっき合流したマリは、いつもの眠そうな顔を引っ込めて機敏に動いている。チビのくせに力負けもしていないし、むしろチビだからこそ動きが俊敏だ。
いつもなら「…おなかすいた」とか何とか言って食い物を漁っているだろうが、今は目の前の敵しか見ていない。だが腹は減っているんだろう。敵を見る目が捕食動物のそれだ。
「…涼也さん、あっちに日下が居るって情報が」
駆け寄ってきた理史が話しかけて来る。息が切れたのか、マスクを若干指で摘んで口元から離していた。疲れたなら取ればいいのに。
だが理史はどんな状況でもマスクを外さないから、今言っても無駄だろう。その人にしか分からない拘りって、案外誰でも持ってるものだよね、うん。
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「おいシキ…あんま暴れ過ぎるなよ…」
さっきから苛立ちを隠そうともせず暴れまくるシキに声を掛ける。初めは冷静に向かってくる奴らを蹴飛ばしていたが、時間が経ってくると次第に焦りが勝るのか、視線が忙しなく動いている。
きっと、というか絶対紫苑ちゃんを探しているのだろうが、これだけ探しても見つからないならまだ先に居るんじゃないだろうか。
「………」
「おーいマリ…お前もだよー…」
さっき合流したマリは、いつもの眠そうな顔を引っ込めて機敏に動いている。チビのくせに力負けもしていないし、むしろチビだからこそ動きが俊敏だ。
いつもなら「…おなかすいた」とか何とか言って食い物を漁っているだろうが、今は目の前の敵しか見ていない。だが腹は減っているんだろう。敵を見る目が捕食動物のそれだ。
「…涼也さん、あっちに日下が居るって情報が」
駆け寄ってきた理史が話しかけて来る。息が切れたのか、マスクを若干指で摘んで口元から離していた。疲れたなら取ればいいのに。
だが理史はどんな状況でもマスクを外さないから、今言っても無駄だろう。その人にしか分からない拘りって、案外誰でも持ってるものだよね、うん。

