帆乃くんの言葉の並べ方も、どこかで聞いたような感じがする。怒ったような顔も、やっぱり誰かに似ている。そして一番は何より…。
「………"未星"?」
独り言のように吐き出した言葉は小さくて、二人の耳には入らなかったらしい。ねぇ、と帆乃くんに声を掛けようとした瞬間、何処からかガシャンッ!!と大きな音が鳴り響いた。
ピクッと肩を揺らした帆乃くんが音の方を振り返る。禅くんも同様に。
「な、何の音…?」
「……来たみたいだよ、アンタらのお仲間」
溜め息混じりにそう言った帆乃くんに目を見開く。仲間…って、獅貴たちのことだろうか。
「何だ、結構早かったな。
…おいガキ、これもお前の差し金か?」
「ガキって言うな、今度は僕が本気で殴ってやろうか」
バチバチと、間に火花を飛ばす二人に呆れ気味に声を掛け、獅貴たちが居る方向へ急いだ。

