兄さんの友人だから、何かあっては困る。それに女性は関係無いらしいじゃないか。ANARCHYの人間というわけでも無いらしいし、だとしたら完全なとばっちりだ。


コイツらが調子に乗って二人に危害を加える前に、ここから逃がしてあげないと。それにそろそろANARCHYの連中がここを突き止める頃だ。


全ては僕の思惑通りに動いている。既に最後の仕上げは済んでいるのだ。後はこの中にいる二人を逃がして、兄さんたちの所へ連れていくだけ。


そうしたらもう、全ては終わっているのだから。



「誰だか知らねぇがよぉ…殺っちまうぜ?」



一人の馬鹿の言葉に、周りの男達も騒ぎ出す。僕の方へ一直線に向かってくる奴らに、溜め息を零しながら拳を構えた。