「っ…いつも、私を、守ってくれるね…"ぜんくん"」
ありがとう、と付け足す私に、倉崎くんは…禅くんは、驚いたような顔で「…は…?」と声を出す。掠れてぽかんとした声たったが、やがて彼は頬を染めてわなわなと震え出した。
「っな…!いつ、いつから気付…思い、出して…」
あたふたする彼を泣き笑いで見上げる。ちらちらとアンクレットを見る目が分かりやすくて更に笑ってしまう。
彼との記憶を思い出した今、禅くんが度々、どうしてアンクレットを切なそうな目で見つめていたのかようやく分かった。そりゃあ自分だけ気付いて幼馴染に忘れられてたら良い気はしない。
「今かな。なんか急にね、あぁ禅くんだって」
強いくせに、十分強いくせに。頑なに自分の強さを認めず、弱さにばかり向き合う彼。それは高潔で素晴らしいと思うが、今となっては彼の短所となってしまったのだろう。
そんなところが、あの頃の禅くんと重なった。最後に公園で会った彼は、酷く無力そうに拳を握り締めていたから。
弱さに向き合うあまり、本当は強いはずの喧嘩にも自信が出ずに挑めなくなる禅くん。本当におかしい。でも彼がそういう人で良かった。無駄な怪我をせずに済んで…―――
「…ん?」
「…あ?」

