「俺…なんも出来なくて、まじ、すんませんッス…」



そろそろ、怪我の具合的にも限界なのだろう。琥太は最後にそれだけ呟いて、電池が切れたように意識を失った。言葉が聞こえなくなると、すぐに穏やかな寝息が病室内に響く。


琥太の所為じゃないと言ったばかりなんだけどな…と苦笑を零しながらも、コイツはそれでも敬意と反省を忘れない奴だったかと思い出す。



「………」



俺はひとつため息をついて、病室から出るために踵を返した。扉に手をついて一度振り返ると、深い眠りについた琥太が目に入る。


あの様子じゃ、きっと一日は目を覚まさない。目覚めた時には恐らく、全てが終わっていることだろう。



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