それから暫くお互い無言だったが、気まずさは不思議と無い。どちらも頭の中は、大切な何かで埋まっていたからだろう。


ビニール袋が歩く度ガサガサと音を鳴らすが、それすら気にならない。



「………」



軽く未星くんを一瞥したが、彼はやっぱり、穏やかな表情のまま何かを考え込んでいた。