はぁ…と溜め息を吐いて帰路に着く。



迷子事件(?)から数日。教室へ戻った後、獅貴たちにこっぴどく叱られたのは記憶に新しい。心配した獅貴が校内放送で私を呼び出そうとしたのを、涼くんが全力で止めてくれたとか。



涼くんには今度、感謝を込めて何かお高いものを奢ってあげなくては。



「重い…」



そしてそんなことより、休日だと言うのに疲労感がやばい。全然休まなかったし、ずっと動きっぱなしだった。それもこれもスーパーのセールが全ての元凶である。



両手に提げたビニール袋は、いつ破れてもおかしくないくらい膨らんでいる。流石に買いすぎたかと後悔したが、今日ほど食材が安くなる日は滅多に無いので仕方がないと諦めた。



ただでさえ金が無いのだ。節約出来るところはとことん節約して、安く手に入れられるものはとことん安く手に入れる。これを徹底しなければ。



とは言っても、重いものは重い。



「…あ、だめだ」



実際のところもう少しでアパートに着くのだが、私は早々にギブアップして立ち止まった。諦めのいい女なのだ。


ちょっと休んでから歩こう。そう自分に言い聞かせて袋を地面に置く。


やっぱり牛乳だな、牛乳を買いすぎたんだ。賞味期限まで飲み切れる自信もないのに値段だけ見て爆買いしてしまった。私としたことが呆れるほどの計画性の無さである。