その事実が辛い。俺は紫苑を求めていたはずなのに、いつの間にか強欲になってしまった。


紫苑なら何でもいいはずなのに、『今』の紫苑じゃ満足出来ない。俺に縋り付いて震えていた紫苑が、どうしようもなく恋しい。



あの太陽のような笑顔をもう一度見たい。俺だけの紫苑に、もう一度。






そう思ってしまうのは、俺も『昔』の俺じゃなく、『今』の俺になった証左なのだろう。