拾った総長様がなんか溺愛してくる(泣)【完】




「…誰から?」


「……え?」



静かに問い掛ける彼の声音には、何かを祈るような、恐れるような色が込められている。どうしたのかと躊躇ったが、すぐに答える。




「…もう顔もよく覚えてないけど、男の子からだよ。私よりちっちゃくて可愛くて、綺麗な男の子。貰った時凄く嬉しかったから、今も付けてるの」




そういえば、あの頃のことを話したのは何年ぶりだろうか。一度口に出すと懐かしさが一気に込み上げて、無意識に笑みが浮かぶ。





だから、その時倉崎くんがどんな顔をしていたのか、私には分からない。





「…。…そう、か」



アンクレットを見下ろしていた私の頭上に、どこか優しげな声が落ちる。倉崎くんのいつもの声とは違っていたから、驚いて顔を上げようとした。



けれどそれより先に、頭の上にポンッと大きな手が置かれて。



「……?」



そしてその手が不器用に動く。撫でているのかと漸く気が付いたが、あまりにも撫で慣れていない手つきと強さに、おかしくて笑ってしまった。



けれどどうして突然、こんなことをし始めたのか。