「…で、お前の目的は何だ」
ギロッと睨み付けられ問われる。
なるほど、私を認めたわけではないらしい。『よろしく』とは言ったが『よろしくする』とは言ってないもんね。日本語って難しい。
目的ってむしろ私が聞きたいけどな、と漠然とした不満が募ったが、そこはグッと堪えた。律くんを無闇に怒らせるわけにいかない。
「…いや、特に目的とかは…」
返事に困ってコミュ障みたいな答えを返してしまった。「あ、あの…すみません」とか何も悪くないのに謝ってしまうあの現象何?早く直したいよあの癖。
ピシッと音が鳴ったんじゃないかと思うくらい、律くんが眉を顰めて眉間に皺を寄せる。何言ってんだてめぇ、みたいなセリフが声も無く届いてくるほど。
「何言ってんだお前」
大体合ってた。
「総長に近付く女は大抵肩書きしか見ねぇ馬鹿ばっかなんだよ。臭いしケバいし最悪だ」
ステータス目当てで獅貴に近付くってことかな…それは確かに最悪かもしれない。獅貴はイケメンだし頭良さそうだし、中身がアレでもかなりモテそうだ。

