両親は私が7歳の夏に事故で死んだ。


残されたものは何も無い。


私はその日から、天涯孤独の貧しい身として生きることが決定された。


ちなみに頼れる親戚は居ない。


世間の体裁を気にした父方の祖父母が引き取ってくれたものの、中学に入ると当然のように一人暮らしを要求されてしまう。


あの家は居心地悪かったので丁度良かったが。


好きな物は平穏。嫌いなものは刺激。



中学も高校も普通に卒業して、なんの味気も無い人生を送るつもりだったのに…、






――こんなことになるなんて、聞いてない。