ずっと傍に

''俺がお前を助けてやる''



……は?何言ってるの?





普通ここまで自分の街バカにされたら普通怒るでしょ





なのになんでこいつは守るとか真逆のことを言ってるの?






「……俺も同感かな。」





何も言えず唖然とするあたしを差し置き
茶髪の男はいつの間にかカップに注いだコーヒーをすすりながら言葉を続けた





「わけアリっぽいしね。それに傍にいればこれ以上街の男を腐らせないように監視もできるし一石二鳥ってとこかな」





いやいや、ちょっと待ってよ




なんであたしがあんた達に助けられなきゃいけないの?







「笑わせないでっ、





あたしは誰の助けも必要ない。




あんた達なんて信用出来ない、要らない。




いいよ、噂ならなんでも流せばいい




あたしはその噂通りの女だから




助けられるくらいならとことん落とされた方がマシ。




だからほっといて、あたしの生き方に




口を出さないで。



第1昨日あったばかりの他人になんで助けられなきゃいけないわけ?」



まだ少しクラクラする頭を抑えながらより一層睨みを利かせた



「つまらない正義感であたしに付きまとうならもう二度とあたしの前に現れないでっ、」




扉の取っ手を持ち前に立つ男にどいてと言えば



男は鼻でフッと笑い''おもしれぇ''



と一言つぶやいた





「っ、いいからどいてってば」



一瞬だった




気付けば激しい衝撃と共に背中には冷たい扉があり



目の前の視界は全て彼の黒髪に支配され





あたしの唇にとても暖かく優しい何かが触れた






それが''キス''だと気付くのに時間はかからなかった




男が口を離した瞬間




あたしは思い切り男の頬を叩いた





「最低……」





そう言えば男はなんのダメージも食らった様子もなく




こちらを睨み





「なんだよ、いつもしてることなんだろ?」




いつも、、確かにあたしはいつも別の男と遊んでる。





でも、たったの1度も唇へのキスは許した記憶なんてない。




「……ったのに。」


ボソッと呟くあたしの声が聞き取れなかったのであろう目の前の男は




眉間に皺を寄せながら前かがみになり「あ?」と
聞き直す素振りを見せた



「キスはした事ないのにっ、、、」



そう言うとあたしは手の甲で口をグイグイと強く擦り拭い部屋から勢いよく飛び出した



目の前の男は唖然とそれを見つめるだけだった




「はははっ、凌雅がキスして嫌がる子なんているんだね(笑)」



「っち、気に入らねぇ。ぜってぇ手に入れてやる」




そんなふたりの言葉なんて聞こえる事もなくあたしはその建物を出た