初めて彼を見たときは本当に驚いた。
燃えるような真っ赤な髪。
無造作にセットされたその髪はゆらめく炎のようで、私の胸は少しドキドキした。
初めて見た派手な色の髪の毛に、まるで違う世界に来たみたいってドキドキした。
『知ってる? 城田 大輔の噂。あの人って、中学の頃かなり荒れてたらしいよ〜』
入学したばかりなのに彼の名はすでに全校生徒に知れ渡っていて、教室のあちこちで噂されていた。
偏差値はそこそこで、校則がそこまで厳しくないこの高校では、髪を染めている人はわりと多かった。
でも、真っ赤な髪の彼は、特に目立っていた。
無愛想で、笑った顔なんて一度も見たことないし、クラスメメートと話している姿は見かけるけど、低くて冷たい声はすこしだけコワイ印象。
でも、授業はきちんと受けているし、先生の話も真面目に聞いている。
ノートもきっちりとっている。
先生から出された課題も、その日のうちに終わらせている。



