青、こっち向いて。



「ごめんなさい…」


私の謝罪は聞こえてないみたいに無視して、城田くんは歩き出す。


十分ほどして、城田くんが話していた公園が出てきて、その公園内の街灯のすぐそばにあるベンチに私を座らせた城田くんはぶっきらぼうに「腕出して」とだけ言うと、隣座って私が腕を出すのを待った。


たぶん、掴まれてた方だよね、?

慌ててさっき掴まれていた方の腕を出すと、城田くんは私の制服袖をまくり上げてじっと見つめる


掴まれていたところは真っ赤になって軽く内出血していた。


「待って、冷やすもの買ってくる」

「え、」

「すぐそこの自販機だからなんかあったら呼んで」


そう告げると城田くんは自販機に向かって歩き出してしまう


これくらい、気にしなくてもいいのに

それより、さっきのことがあるから一人になるとそわそわしてしまう


不安を抱いたのも束の間、城田くんはすぐに戻ってきて自販機に売っていたであろう缶ジュースを私の腕に当てる


冷たくて気持ちいい


「夜に一人であんなとこ、うろつかないほうがいいよ」

「…ごめんなさい」


幼い子供を叱りつけるような口調だったけど、妙に威圧感があって思わず謝ると、城田くんはフッて少し笑った


「よく謝るな」


たしかに、さっきから何回ごめんなさいって言ったんだろう。

私もおかしくて少し笑った。