〖 貴女 、 記憶が無いんでしょう ? 〗
玲衣さんは知っていたんだ 。 記憶が無い事。
「 はい 、 でも思い出したい 。 」
そう伝えると 彼女は ぬいぐるみを手に取り
顔の前に持ってきて
〖 元気だして っ !僕がいるよ ! 〗
励ましてくれた 。
微笑ましく思ったと同時に 激しい頭痛に襲われた 。
「 ふふっ 、ありが… っ ぁ 、 !? 」
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" 誕生日プレゼントだ 。
大事にしろよ 、愛莉 。"
と頭を撫でている男の人と
" 僕がそばにいるクマ〜 ! "
とぬいぐるみを女の子に抱き締めさせてあげる女の人
そして
" 9歳の誕生日おめでとう 、愛莉 "
と2人は女の子を抱きしめた 。
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これはなに ? これも記憶 ??
「 っはあ、はあ 、 …っ 、 」
〖 大丈夫 !? 、 ごめんね 、〗
どうしよう、と 焦っている玲衣さん。
「 大丈、夫 。 玲衣さんのせいじゃ、無いです 」
呼吸を整え 、 笑顔で答える 。
玲衣さんは泣きながら伝えてくれた。
〖 この入れ物は、 叔父様が3日前に " 愛莉がきたら 、渡してくれ 。すぐ来るはずだ "って 。 … っ 、 〗
「 玲衣さん 、 」
玲衣さんも ずっと一緒にいたんだよね。お父さんと 。
それが別れになるなんて思ってもみないこと。
「 玲衣さん 、 ありがとう 。 」
と私は震えていた手を握った 。
みんなの為に 記憶を戻さないと 、
私に出来ることは 、それしかない 。
