「「こんにちわ」」

最近よくお邪魔するようになった平石邸。
広い敷地の中に母屋と数棟の離れがあり、母屋にはご両親、離れにはお兄さん家族とおじいさまご夫婦が住んでいる。

「あら、いらっしゃい」
「今日はすみません。お世話になります」
「何言っているの。当たり前のことよ。本当ならこちらから出向くべきなのに」
「そんなあ・・・」

私の両親のために忙しいはずのお父様までお休みをとってくださったのを知っている。

「もうすぐ着きますって連絡があったから、さあ上がりなさい」
「はい」

私も上がらしてもらい、お母様と一緒にお茶の用意を手伝った。