きっと怒られるんだろうなと思って、今日はここへ来た。
奏多にはすごくよくしてもらったのに黙って姿を消してしまったし、何度もくれる連絡を無視し続けてきた。
どんなに怒られても言い訳できないと覚悟してきたのに。

「ごめんなさい」
怒りよりも寂しさを浮かべる奏多の表情を見て、先に謝った。

今の奏多が、怒っているのか、呆れているのか、私のことを切り捨てようとしているのか、その真意はわからない。
ただ、いつもならもっと激情的に怒るはずの奏多が普段と違うことに不安を感じた。


「そんなに俺が嫌いか?」
「え?」

いきなり聞かれ、ポカンと口を開けてしまった。