6月末のある日、私は連絡もせずに蓮斗のマンションを訪れた。
仕事終わりに向かったためもしかして蓮斗がいないかもと思ったけれど、もしそうなら預かっていたキーを置いて自分の私物を持って帰るつもりだった。
マンションの外から見て部屋の明かりはついていた。
蓮斗がいるのだろうと部屋の前まで行き、チャイムを鳴らした。
何度もしつこく鳴らすうちに、
ガチャッ。
玄関の鍵が開いた。
「蓮斗、私」
「め、芽衣?」
慌てたような声のあと少しだけ開いたドア。
その隙間から見えた玄関に女性もののハイヒールがあった。
もちろん、それは私のものじゃない。
「ごめん、鍵を返しに来ただけだから」
私は蓮斗の手に預かっていたスペアキーを乗せ、駆け出した。
いきなり来た私が悪いのかもしれない。
仕事が忙しくてなかなか会えないから、蓮斗の気持ちが覚めてしまったのかもしれない。
それでも、見たくなかった。
大通りまでの道を走って行って、タクシーを拾った。
その間も蓮斗が追いかけてくることはなかった。
仕事終わりに向かったためもしかして蓮斗がいないかもと思ったけれど、もしそうなら預かっていたキーを置いて自分の私物を持って帰るつもりだった。
マンションの外から見て部屋の明かりはついていた。
蓮斗がいるのだろうと部屋の前まで行き、チャイムを鳴らした。
何度もしつこく鳴らすうちに、
ガチャッ。
玄関の鍵が開いた。
「蓮斗、私」
「め、芽衣?」
慌てたような声のあと少しだけ開いたドア。
その隙間から見えた玄関に女性もののハイヒールがあった。
もちろん、それは私のものじゃない。
「ごめん、鍵を返しに来ただけだから」
私は蓮斗の手に預かっていたスペアキーを乗せ、駆け出した。
いきなり来た私が悪いのかもしれない。
仕事が忙しくてなかなか会えないから、蓮斗の気持ちが覚めてしまったのかもしれない。
それでも、見たくなかった。
大通りまでの道を走って行って、タクシーを拾った。
その間も蓮斗が追いかけてくることはなかった。