「へぇーそうなんだぁ。よし、私もまた登ってみよー!ねぇ海里、また今度のぼーろよ!」

「だめだめー!詩が登ったりしたら落っこちちゃうよ!!」

「だって面白そーじゃん!」

「だめって言ったらダーメ!」




詩ちゃんと茶髪な男が変なやりとりをしている。

なんだ、この2人。誰がどう見てもいい感じだ、もしかして付き合ってる?


やっと2人のやりとりが終わったあと、黒髪の男が私に近づいてきた。
目の前に立たれると余計に大きく見える。

私の顔をジロジロ見ながら黒髪の男は口を開いた。

「名前は」

ん、名前?確かに言ってなかったな。


「桜木 莉乃」

「へぇー莉乃か」

早速、呼び捨てで呼ぶんだ。少しびっくりした。

そのあと、黒髪の男も自分の名前を名乗るかと思いきや、私たちの間に沈黙が続いた。

なに、この微妙な雰囲気。しかも黒髪の男はまだ私の事をジロジロ見てくる。