お嬢の神隠し




「……りの……!」


んん??


「あ、秀羽」

秀羽が心配そうに私を見ている。どうしたの??てか、起きたんだ。


「お前、うなされてたぞ。大丈夫か?」


さっきの夢のせいかな。

目の辺りに涙が溜まっていた。


あぁ、思い出したらまた泣きそう。

いや、もぉ遅い。泣いちゃった。


「莉乃……」

秀羽は優しく私の頭を撫でてくれた。




「たまには優しいじゃん」

「いつも優しぃーわ」


そうだね、秀羽はいつも優しい。ちょっとした事でも気にかけてけれる。


秀羽に話してもいいかも、私がなんで泣いてたのか教えなかったら余計に心配されそうだしね。



「あのね私の家、やっぱり普通じゃなくて詳しくは言えないけど……
そのせいで友達もほとんど居なくて、その時の夢を見たんだ。思い出したらやっぱり辛くて……」

やっぱり、家のことはまだ言えない。でもいつかは話す。てか普通にバレると思うし。


「小中女子校でいつも1人だったんだ。
けどね放課後、遥斗が毎日会いに来てくれて話を聞いてくれて本当に心の救いだったんだ。」


遥斗と学校も違ったけど毎日毎日、忙しいはずなのに私に会いに来てくれた。


来なくて大丈夫だよって言っても、俺が心配だからって、過保護すぎるのもあるけど
やっぱり嬉しくて嬉しくて。