お嬢の神隠し

秀羽side




「先生!!お腹が痛いので保健室行ってきまーす」

そういって莉乃は立ち上がり教室を出ていった。


「なぁーなぁー秀羽、絶対莉乃ちゃん、お腹痛いなんて嘘だよね?屋上で寝に行ったんじゃない?」

小声で海里が言ってきた通り、あれは絶対お腹なんか痛くねぇーだろ。

あいつ嘘が下手くそすぎないか

テストは普通に平均並みだけど頭はどこか抜けてるところがある。



よし、俺も寝に行こーかな

屋上は変なやつらが溜まってるかもしれないし。



「先生、トイレ」

「先生はトイレではない!」

先生はトイレではないって、小学校の教師が言うセリフだろ。



まーいっか

教室をでて屋上へと向かった。



ドアを開け、屋上にある建物の奥を見ると壁にもたれ掛かりながら、莉乃が寝ていた。


相変わらず、無防備だな。今は屋上に莉乃しかいなかったけど、そこらの男子に目つけられたら一瞬で襲われるぞ。

ちゃんと危機感もてよな。



でも、莉乃が寝ている姿は可愛いなぁー

俺、どんなけ莉乃の事が好きなんだろ。自分でも引くは。