しかしザクロは激しく抵抗し、フィオナの華奢な体は簡単に引き剥がされてしまった。フィオナは全身を棚にぶつけ、痛みに顔をしかめる。それでも、キキョウを殺させはしないと立ち上がった。

「そこをどけ。そいつを排除する」

ザクロにナイフを向けられようと、フィオナの中に恐怖などは生まれない。ただザクロを睨み付ける。

「いいえ。私は、キキョウさんを守ります」

ならばお前も死ね、とザクロがナイフでフィオナを刺そうとする。フィオナはナイフを素早く避けてザクロの手を掴み、その腹に蹴りを入れた。

その時、エヴァンがシオンとサルビアを連れて入ってくる。

「フィオナ、大丈夫!?」

エヴァンが駆け寄り、フィオナは「私は無事よ。それよりキキョウさんを病院へ」と言い、サルビアが「救急車を呼ぶよ!」と言い電話をかけ始めた。

「ザクロ・モリアーティ、殺人の疑いで逮捕する」

シオンが床に崩れ落ちているザクロに言い、その手に手錠をかける。その時、ザクロがうめきながら言った。