ザクロのこと、そして見えた真実をフィオナはシオンたちに伝え、証拠などを集めていってもらう。そして次の日、フィオナは少し緊張を覚えながら劇団に向かった。

「フィオナ!」

劇団に着くと、フィオナのもとにエヴァンが駆け寄ってくる。そして耳元で早口で言った。

「キキョウさんがまだ来ていないんだ。電話もつながらないみたいで……」

エヴァンのその言葉に、フィオナはキキョウの命が危ないと直感で感じる。これは一刻を争う事態だと本能が叫んでいた。

「エヴァン、今すぐシオンさんたちを呼んで」

「でも、みんなは今証拠を集めてるんじゃ……」

戸惑うエヴァンにフィオナは触れる。エヴァンはフィオナを見て、あの時のレティシアたちのように驚いた顔をしていた。

「お願い、もう悲劇を起こしたくないの」

フィオナがそう言うと、エヴァンは「わ、わかった……」と言い電話をするため外に出て行く。フィオナはキキョウの居場所を探ろうと、意識を集中させた。