フィオナとシオンは顔を見合わせる。一気に手がかりが入ってきた。マーティー・ブラックローズが事件を起こしている可能性が高い。

「ありがとうございます」

二人は頭を下げ、早くその人物について調べるために屋敷を出る。フィオナが振り返れば、そこには暗く不気味なブラックローズ家の屋敷がある。

家は本来、家族の温もりがある温かい場所のはずだ。しかしこの屋敷には、人の生気や温もりを感じられない。冷たく、まるで牢獄だ。

(こんな家より施設の方がマシなのかもしれない……)

フィオナはそう思いながら、シオンと共に森の中を歩き出した。