「は!?高橋証券と合コン!?」
「はい!はい!行く行く行く!」
「私も行く!」


 月曜日のお昼休憩。作ってきたお弁当を食べながら隣の席のマミに話を持ちかけると、周りに座っていた女達も反応した。

 もちろん男の人もいるオフィスの中で、恋に飢えた女達が合コン話に食いつく。


「私抜いてあと5人だから、じゃんけんして決めて」


 と言ったら、皆がじゃんけんの準備を始めた。指を組んでひっくり返し、隙間を覗く人、指の関節を揉みほぐす人、胸の前で「アーメン」と十字を切る人。ほんと皆必死だな。

 そして始まるじゃんけん大会。最初に二人が勝った。次はあいこ。次もあいこ。その次に二人。残る枠はあと一人。


 勝てていないのは三人。どこで体力を消耗したのか、肩で大きく息をしながら、「最初はグー」と野太い声で拳を振った。


「よっしゃあああああ!!!!」
「くっ……!」
「ちくしょおおおおお!」
「おほほほ、ごめん遊ばせ!」
「うほほほほほ」
「ぐほほほほほ!」
「ひゃっほおおおおおい!」


 凄いもの喜び様と落ち込み様に若干引きつつも、「よ、良かったね」と見事に枠を勝ち取った五人に声を掛け、「次合コンやる時、また誘うから。ね?」と負けた三人の肩を叩いた。