その悲鳴を聞きつけ、父が何事かと駆け付けた時、まだ髪はゆらゆらと揺れていました。

「髪の毛が勝手に動いとる……!」

母がそう言い、父は髪をジッと見つめました。父は霊感があり、その霊が悪い霊なのか害のない霊なのかを判断することができます。

「あぁ〜、大丈夫大丈夫。これ害のない子どもの幽霊やから」

父はそう言ったそうです。だからか、それからも家にメルちゃん人形は置かれていて、私や妹はその人形で遊んでいました。