「何処でやってるの?」

「え、駅の近くで。カフェ屋さんみたいなところで……」


そう適当にごまかそうとしたところで、



「そうそう、この子時給に騙されてメイドカフェでやってんですよ」

「あかり~!ちょっと……」


あかりが事実を明かしてしまうから一気に恥ずかしさの渦に巻き込まれた。



「はー?マジで?」


隣で紗央とイチャついてた筈の誠先輩の声が中庭に響き渡る。



「俺、実際にやってる子はじめて聞いた……」


そして、ちょっと引き気味の尚輝先輩。

そうですよね……。正直、私もいまだに信じられないもん。



「変な客とかくんの?いかにもアニメ好きーみたいな」


どっちかというと、誠先輩の方が興味深々に口を開いてくる。



「いえ、その……。そんな普通の人ばっかですよ。はは」


私も最初はそんなこと考えてたし、たまに凄いお客さんもくるけど。意外と普通の人も多い……気がする。