声のする方を振り向けば、イブが手招きしていた。



「あ、友達呼んでるから行きますね。じゃぁ、また!」


うん、悪い人じゃ無いはず。

でも、家がバレたり、プライベートで関わるのはちょっとやだな。

萌花ちゃんが言っていた意味がよく分かった。



「イブー、凄いありがとう……」

「うん。何か困ってる感じがしたから。あの人、お客さん?」


イブはあんまり背が高くなくて、私より少し上くらいで、並んでも見上げる事がない。



「うん、そう。いい人だし会ったのも偶然だと思うけど……」

「ふーん。近所だったら気を付けなきゃね」


流石、萌花ちゃんと付き合ってるだけある。余計な事も聞かずに、色々察してくれる。

気付かなかったけど、イブと同じバスに乗ってて良かった。



「芽生ちゃん、帰ろうか」

「うん」


そのまま、私達は並んで家への通学路を歩き出した。