「こいつがさ、芽生ちゃんのこと可愛いって言ってた奴」


皆で輪になるように座り込んで、誠先輩が隣の男の先輩の肩を掴んで紹介する。



「ばっ、か。そういうこと言うなよ!!」

「今更だろ。こいつ尚輝(なおき)っつうの」


目の前で2人のやり取りを見て、この人が私を可愛いと思ってくれてるんだと恥ずかしくなってきた。



「よろしくお願いします」


深く頭を下げる尚輝先輩に、私も深々と頭を下げた。

誠先輩には"こいつら頭下げすぎ"って笑われたけど。


「芽生ちゃんは、キスに興味あるの?」

「ちょっ、誠くんやめてよ」

「誰でもさ好きになったら、相手に触りたいって思うの普通じゃね?」


誠先輩からは最もな答えが返ってきた。



「とりあえず、こいつと付き合ってみたら?」


なんて、簡単に言われたけど。

連絡先だけを交換して昼休みが終わると同時に先輩達とは別れた。