涙で顔がぐちゃぐちゃになるイブちゃんの顔をタオルで拭いて、鏡の前に並んで座る。



「ほら、見て。イブちゃんっておばさんそっくりだよね」

「だけど」

「大丈夫だよ。ほら、いつでも会えるよ」


あれ?この時、何をしてあげたんだっけ?忘れちゃったな。



でも学校にも朝からちゃんと行くようになって少しずつ見せてくれるようになったんだ。




ただーー、




「イブちゃーーーん!遊ぼー!!」


おかしいな。絶対家の中にいる筈なのに。

家にいるのに出てこない、居留守を使われたり、家に籠る事も増えた時期でもあった。




それから、イブの涙を見たことは無かった。