「ん?」

「彼女にあんなに優しくして貰ったのにさ。やっぱりやめますなんて言いにくいなぁ」

「……萌花にはうまく言っといてあげようか?」

「それに。はじめてのバイトなのに、にそんな形でやめるのもなぁ」

「いや、結構すぐやめちゃう子多いみたいだよ」


なんだかイブは、私に彼女と同じバイト先で働いて欲しくないみたいで。ひしひしとそれが伝わってくる。



「んー……、どうしよっかなぁ」

「アニメ好きなオタクとか来るんだよ」

「別にそれは関係なくない?」

「ほら、店長も変わってるんだろ?」


なんだろう。その必死さが分かるほど、こっちだってすぐに引けない。それに、店長だって見た目や喋り方はアレだったけど、悪い人では無さそうだったし。もちろん、衝撃は受けたけど。



「あら、イブくん?久し振りじゃない、うち来るの」


お互いが譲らないやり取りをしていると、後ろから母親が顔を出してくる。