「……萌花ちゃん」

「何頼むか決まった?」

「なんか、凄いお店なんだね。どうしよう」


知ってる顔を見て、ホッと肩をおろすのも束の間。



「ふふっ。いかがなさいますか?」

「えっと、カフェオレとこのケーキセットで」


メニュー表に目を落として選ぶけど。

わわわ、よく見てなかったけどケーキセットで1500円もする。マジか!今日お財布いくら入ってたっけ??




「や、やっぱりカフェオレだけで」


なんて慌てて鞄をあさって財布を出してれば、クスクスと萌花ちゃんが口許を緩める。



「いーよ、今日はおごるから」

「ごめんね」


初対面に近いのになんて優しい子なんだろう。