バイトが終わった後、萌花と来たのはいつも利用しているネットカフェ。
会員制で普通のネカフェより料金が少し高い。

すぐ後ろをついてくる萌花はガチガチに緊張していて可愛い。
本当は18歳以上で身分証明が必要なのだけど……。



「私の友達なんですー!」


顔馴染みの店員さんに言えば簡単に通してもらえた。



「何、飲む?」

「えっ、えっと……」


2人がけのソファに並んで座り、タブレットタイプのメニュー表を覗き込む。



「今日は奢ってあげる。萌花ちゃんアルコール飲める?」

「いや、まだ、15だから。ココアでお願いします」

「あはっ、真面目だなぁ」

「望は年齢大丈夫なの?」

「私は一応もう20歳だから」

「……そうなんだ」

と、萌花がキョトンと首を傾げた。
大人っぽくは見えるけど、15歳じゃ当たり前か。
まだ、やっぱりあどけなさが残ってる。

本当、男の子に見えないなぁ。
大きな瞳に長い睫毛。頬も唇もぷっくりして艶々しい。それに、ふわふわに揺れる栗色の髪の毛が腕に当たってくすぐったい。


どこを見ても女の子なんだけどな。