「望もさー、芽生ちゃんに変なこと吹き込むのやめてよね!もー」


ぷんぷんとばかりに、頬を膨らませて眉をあげる。萌花の演技力すごいよな。
それに対して、望ちゃんはクスクスと本当に楽しそう。



「変なことじゃないしー。何よう、恥ずかしがることないじゃない」


望ちゃんが人差し指で萌花の胸元をつんとつつく。まぁ、こいつには胸なんて無いけど。



「恥ずかしいとかじゃなくてっ」

「私と萌花の仲でしょ?」

「でもっ、」

「それとも何か不都合でもあるの?」

「無いけど!やっぱりある!!」


可愛い女の子達がキャッキャと戯れているようにしか見えない。
この場は百合の園なの?と思うくらいに、花が咲いたような甘い空気が漂っていた。




「ったく、アイツあること無いこと芽生ちゃんに話してないだろうな」


望ちゃんがホールに出ていってから、ボソリとイブの声に戻る萌花。
"アイツ"呼ばわりって、萌花と望ちゃんの関係をちょっと疑ってしまうこともある。