「全くそんなつもり無かったって、どういう事だと思う?」


教室の中で小さな声で嘆くと、紗央とあかりに憐れみの目で見られる。
リビングとはいえ夜の部屋の中に2人きり。

どんな流れであろうと彼女を押し倒しといて、全くその気がないなんておかしいと思う。



「まぁまぁ、体目当てじゃないだけいーじゃない」


と、紗央が意味あり気にため息を吐く。
それはそれで怖くて突っ込めない……。



「でも、あの子、性欲無さそうだよね」


なんて、あかりが笑い声をあげた。
え、イブって性欲無いのかな?アイツの性癖を考えて一気に不安になる。
まさか萌花にしか興奮しないとか、ないよね……。



「芽生は、そのエッチな事したいってこと?」


紗央が私の耳元で小さく囁くから、"エッチな事"という単語に過剰に反応して、ボッと火がついたように自分の顔が赤くなっていく。