「まぁ、確かに萌花が可愛いのは認める」

「だろ?」


隣でイブがふにゃりと笑う。こんな顔見せられたら、手を離す事なんて出来ない。



「イブの性癖につきあってあげられるのは、私ぐらいだからね」


「本当、感謝します」


目が合うと、胸がぎゅっとなって。いつもと変わらない筈の景色の筈なのに、目の前の世界が一気に変わった。

町を歩いても誰も気に止めない。
振り向きなんてしない。
どこにでもいる高校生の男の子かもしれない。



「イブ、前髪あげたら?」

「……あげたら芽生ちゃんキスするだろ?」

「当たりっ」


前髪を真ん中で分けると、イブの幼い顔立ちと可愛らしいあらわになった。



「イブ、大好きだよ」


ふわふわの黒髪を撫でて背伸びれば、色白の頬が一気に赤く染まっていく。
愛おしくて、その唇にキスを落とせば、その温もりをいまでも感じていたくなる。


恋愛なんて、羨ましいとは思ってたけど、こんなにもキラキラしてるものなんて思わなかった。

当分、ライバルは萌花で、イブ本人だけど。


目が合うとイブが口許を緩めた。子供の頃と変わらない、笑窪が浮かんで照れ臭そうに笑う顔がよく似合っていた。





幼馴染みに彼女が出来ました!fin