あの出来事から1週間が過ぎようとしていた。私は体調も無事に戻って、いつもと変わらない生活を過ごせている。


まるで、何事もなかったかのようにーー。




「あいつ、ずっと学校休んでたんだけどさ、今日やっと学校来たよ」

「えっ!!」


学校の帰り道、バイトへ向かう道程をイブと並んで歩く。
"あいつ"とは萌花のストーカーで私の事もつけ回していた奴の事だ。



「スマホ返したらさ」

「えっ、直接返したの?」

「すっげー青くなって後退りしてた」

「そっか。えー、大丈夫かな。イブの事ばらさないかな?」

「んー、どうだろ」


なんて呑気に答えるイブに対して、また、何かしてくるんじゃないか心配になる。



「でも証拠も無いし、大丈夫だろ」

「えー、本当に?」

「もし、バレても。芽生ちゃんは俺の味方でいてくれるだろ?」


なんだろう、この質問はズルい気がするのは私だけだろうか。



「私はいつでもイブから離れないよ!」

「なら、いーよ」


そう言って目を細めるから、イブが私のこと信頼してくれてるんだって伝わってきて胸がぐっと締めつけられた。