「萌花のバイトが終わる時間に待ち伏せしたり、つけられたりしてたんだ」


前に、萌花もストーカーにあったって言ってた話かな。



「でも、最近落ち着いてたし油断してた。まさか、芽生ちゃんの方に変わってたなんて」

「……」

「芽生ちゃん、ごめん。俺のせいだ」


イブが顔を下に向けて項垂れるから、ふわふわの黒髪に手を当ててゆっくりと撫で下ろす。
顔を上げたイブが眉を下げて笑ってくれるから、恥ずかしくなって思わず目を反らしてしまった。





「でさ、アイツのパソコン持ってきた」

「あの人、イブの秘密がって言ってたの!だから、私」

「うん、芽生ちゃん。ごめんな」


イブに謝って欲しい訳じゃないんだけどな。

イブが持ってきてた紙袋には、あの部屋にあったノートパソコンが1台とスマホが入っていた。
部屋の壁1面に貼られた萌花の写真を思い出すと、今でもゾッとする。

私の位置からも見えるようにパソコンをベッドの上に置く。線に繋いで電源ボタンを押せば、画面がすぐに立ち上がった。