自分の家で着替えてから、私の家へ戻ってきたイブ。



「芽生、イブくん来てるわよ」

「……うん」


部屋の扉から気まずそうに学校の制服姿のままのイブが顔を出す。少し横になっていたからか体は少し楽になっていて、上半身を起こしてイブを出迎えた。



「芽生ちゃん。体どう?」

「うん、大丈夫。まだ頭ボーッとするけど」

「そっか、良かった」

「あ、スマホもね。ボタン長押ししたらちゃんとついたよ」

「うん、良かった」


ベッドのすぐ横の床面に座り込むイブが、小さく話し出した。



「あいつ。さっきの、思い出したくないだろうけど」

「うん」

「さっきの奴。学校のクラスの奴なんだ」


やっぱり、そうなんだーー。



「お店にも何回か来てて、全然"俺"だって気がついてないから大丈夫だと思ってたらさ」


その自信はどこからくるこか分からないけど、"絶対にバレないって思ってたし"なんてつけ足してイブは言葉を続けていく。