クラスメートの彼、萌花、私の順番で階段を上がる。玄関も間取りも本当に普通の家だった。

不安で気になるのは、1階は明かりもついてなくて、他に誰もいないこと。


私達が通されたのは2階の部屋。
木製の扉をあけて電気がつけられた瞬間、異様な空間が広がっていた。

目が疑う程に、日常とはかけ離れた空間。


壁全面に貼られた萌花の写真。

メイド服やコスプレ姿のものもあるけど、明らかに盗撮のものが多かった。
ポスターサイズのものや、小さなタイプものまで数えきれない。

その間に自分の写真も見つけた。
バイト中のもの学校の制服姿のものもあり、思わず目を背けた。


そして、奥のテーブルにパソコンが1台とベッドが1つ。



なにこれ、なにこの数の写真。異常じゃない……。この人おかしい。



「どうしてですか?萌花さん」

「……」

「君はあんな青山と一緒にいるなんて。何度も見ましたよ、彼の家に入るのを」

「……」

「君は本当に罪深き女ですね」


溜め息をついて、首を横に振りながら彼は言葉を続けていく。