後から聞いたら、萌花の姿でおじさんと鉢合わせをしてしまった事があるみたい。

馬鹿な格好をするなって怒られたらしいけど。それから、あんまり話さなくなって、なるべく萌花のものは部屋の外に出さないようにしているらしい。

私に口止めをしたのも、まだ続けている事と他人にバレた事を知られたくなかったから。


仕事で忙しくて、家に殆ど帰って来ないおじさん。恋人もいて、一緒にご飯を食べに行った事が2回ほどあるとの事。


ゆくゆくは再婚も考えてるのだろうか。



「多分、俺が高校卒業してからじゃないかな」

「そうなんだ」

「そんな顔するなって」

「いや、なんか寂しくなっちゃって」


私に寂しく思う資格は無いのだけど、おばさんの事を知っているから、昔の事を思い出すとどうしても考えてしまう。

おばさんが生きてれば、違ったんだろうなって。


「そればっかりは、仕方ないって」

「うん」

「最近は、芽生ちゃんがいつも一緒にいるし」

「え?」

「全然、寂しくないし」

「……そう」

また、そういう事を無意識で言うんだから。襲われてもしらないんだから。

でも、萌花の存在を家族《おじさん》に認めて貰えないって、どんな気分なんだろう。