「えっ、なに起きてたの?」

「……声でかいんだもん、お前ら」


なんて欠伸をしながら、イブが上半身を起こし、枕元に置いてあるスマホの画面に目を向ける。



「あー、メッセ気付かなかった、ごめん」

「今日6時間なんだね、こっち5時間だったからさ」

「そーなんだ、時間割違うんだな」

「なんか紗央がさ、どうしてもイブ見たいってついてきちゃったんだよね~」

「……」

「教室に行ったら、保健室って言われてさ」

「はぁ……。俺、あーゆう肉食系の女子苦手……」

「そっか、今度言っとくね」

「わざわざ言うなよ!」

「あはは」


青くなって子犬のように吠えて必死にとめてくるから、ついからかいたくなる。



「絶対言うなよ!凄い勢いで仕返しにきそう……」

「想像できるわ、あはは。いーよ、もう少し寝てて」


イブのふわふわの髪の毛を撫でてから、前髪をくしゃりと上げれば大きな目としっかりと目が合った。

そのまま、ベッドに手を付けばマットの軋む音が部屋に響いて、イブに近づいていく。