今日は最初だから3時間で、オーダーメインだったのに久し振りだからか疲れた。
接客って神経使うんだな。


制服を着替えて、更衣室の前で待っていれば、萌花がイブになってお店の裏口から迎えにくる。



「芽生ちゃん、お待たせ」

「うん、イブ帰ろう」


イブにとってもリスクが高いのは承知している。
私より背は大きいけど、男子の中じゃ小さくて小柄。イブはいつまで萌花でいられるのだろうか。


外に出ると空気が肌に突き刺さるように冷たくて、両手をこ擦り合わせて白い息を吐いた。



「寒っ……、」

「芽生ちゃん何でそんな薄着なんだよ」

「あんたが昼間から連れ出したからでしょ」

「俺かよ……って。あ、ちょっと待ってて」

「え?」

「あ、駄目だ。一緒来て」


イブの手が私の手を取って引いたから驚いた。