「芽生ちゃんの部屋、久々に入った」


萌花が部屋のなかをキョロキョロと見渡すから、急に恥ずかしくなる。
やだ、変なもの出しっぱなしじゃないかな?

ぱっと見、大丈夫そうで胸を撫で下ろす。



「様子を見に来てくれたのは嬉しいけど、何で萌花の姿?」

「いや、だって。萌花のが一緒に動きやすいかなって思って」

「ふ、ふーん」


イブの姿で私と歩き回るのは抵抗があるのだろうか。



「着替えるから出てって!」


萌花を廊下に追い出して、クローゼットから急いで洋服を選びはじめる。


一応、デートになるんだよね。休日の昼間からイブと出掛けることになるなんて、何着ようかな。

萌花に負けないように、前にあかりが可愛いと言ってくれた白いワンピースを手に取った。