「も、萌花!?」


慌てて玄関に行けば、ワンピースに黒タイツ姿で。
淡いベージュのコートを両手で持つ萌花が立っていて、



「芽生ちゃん、おはよー。って、まだパジャマ?」


お母さんと同じことを口にする。



「え、はぁ?え、何してんの?」

「芽生ちゃんの様子が気になって…」

「と、とにかく上がって」


慌てて、萌花の背中を押すように自分の部屋へと上げる。




「あ、あんた休みの日に何なの?一体、何やってんの?うちのお母さんにバレたらどうすんの?」


驚きすぎて萌花を責める言葉が止まらない。



「大丈夫だよ」


この自信はどこから来るのだろうか。



「確かにぱっと見は分かんないだろうけど」

「芽生ちゃん、昨日元気なかったからさ……」

「あんたっ、青山さんに似てるって言われてたからね」

「うわ、マジで?」


なんて、ちょっと焦る萌花。


昨日の帰り、バス停からイブと帰ったけど確かに死んでいた。一言も話さなかったし。



「なんか美味しいものでも食べに行こうかと思って」


なんだろう、イブが萌花が心配してくれていることがこんなに嬉しいなんて。